バンク・オブ・アメリカ、株式決済や清算のためのブロックチェーンネットワークに参加
米大手銀行バンク・オブ・アメリカが米パクソス(Paxos)の構築したブロックチェーンネットワークに参加し、株式取引を数日ではなく数分で決済することに成功した。このことをブルームバーグが5月17日報じた。なおパクソスのネットワークはイーサリアム基盤である。
ブルームバーグは「JPモルガンは、2020年末からイーサリアムを使ってオーバーナイト・レポ取引を行っており、1日の取引額は10億ドルを超えています。ゴールドマンサックスも同様にこの市場に参加する準備をしています」と説明している。
ノースカロライナ州シャーロットに本社を置くバンク・オブ・アメリカの融資・清算部門責任者であるケビン・マッカーシー(Kevin McCarthy)氏は「バンク・オブ・アメリカは過去数ヶ月間、社内での取引を行っており、清算機関として承認されれば、次は顧客にサービスを提供することになります。そしてPaxosが提供する柔軟性とコスト削減が銀行にとって魅力的でした」とブルームバーグに答えている。
さらにケビン氏は「これにより決済サイクルをT+0にすることができます。これは取引と同時または同日に決済を行うことを意味します。そうすれば、従来はオーバーナイトで計上していた担保が不要になり、大きなコスト削減につながります。このビジネスの資産収益率は、これまでの課題でしたが、改善されるでしょう」と述べている。
パクソスCEOのチャド・カスカリラ(Chad Cascarilla)氏は「より柔軟でスピーディな株式決済への動きは、半世紀にわたって株式市場を支配してきた清算機関のDTCCを脅かすことになるかもしれないです。DTCCでは午前11時30分までに記録された取引だけが、その日のうちに決済されます。これでは一日に取引される全銘柄の約75%が決済されないことになります」とブルームバーグに説明している。
編集部のコメント
パクソスは4月にPayPalらから約330億円の資金調達を行っていて、企業評価額は約2,600億円になっています。
資金調達時のパクソスのリリースでは「Paxosは規制、信頼性、セキュリティへの取り組みを深めながら、エンタープライズグレードのインフラの開発に投資を続けていきます」と今後の動向を説明している。まさに株式の決済と清算のためのブロックチェーンネットワークもその1つだと考えられます。
参考:ブルームバーグ
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