ブロックチェーン活用の新型コロナウィルス陰性デジタル証明書、カリブ海アルバ島にて試験運用

ブロックチェーン活用の新型コロナウィルス陰性デジタル証明書、カリブ海アルバ島にて試験運用

カリブ海アルバ島にて、ブロックチェーン活用の新型コロナウィルス陰性を証明する「アルバ・ヘルス・アプリ(Aruba Health App)」の試験運用が行われていることが明らかになった。

このアプリはアルバ島保険局とDID(デジタルアイデンティティ)のスタートアップ企業であるIndicio(インディシオ)、航空輸送業界のITプロパイダーであるSITA(シータ)が共同で試験運用を行っている。

アルバ島は、新型コロナウィルス感染症によるパンデミック後の観光産業の再建に注力する一方で、島を訪れる人々からの感染リスクを最小限に抑えることを目指している。アルバ島は世界の他の多くの国に比べてパンデミックの影響を受けておらず、ほとんどの観光客に開放されているという。しかしながら観光客と島の住民の安全を確保するために、すべての観光客は飛行機に乗る72時間前に受けたPCR検査の結果が陰性である必要があるとのことだ。

「アルバ・ヘルス・アプリ」を使用して診断結果をアルバ政府に提出した旅行者は、ブロックチェーン技術を使用した旅行者向けのデジタル健康証明書「トラステッド・トラベラー・クレデンシャル(trusted traveler credential)」が発行される。この証明書は旅行者のスマートフォンにて表示され、ホテル、レストラン、エンターテイメント施設にてQRコードを読み込むことで各施設の利用が出来るようになるとのこと。

またアルバ島政府は、この証明書を利用してPCR検査で陰性の結果が出るまで、訪問者がホテルの部屋から出られないように管理をすることが出来るとのことだ。

SITAの米州担当プレジデントであるダイアナ・エインテルス(Diana Einterz)氏は「旅行者が旅の途中で検証可能な健康データを関連するステークホルダーと共有できるようにすることは、業界の回復を早めることにつながります。安全かつセキュアに国境を開くことは極めて重要です。今回のトライアルにより、モバイルデバイスから政府、空港、航空会社と住所などのクレデンシャル情報を安全に共有できるようにすることで、旅行者がより多くのコントロールと利便性を得られる単一のトラベルトークンに一歩近づくことができました」とコメントしている。

Indico社のCEOであるヘザー・ダール(Heather Dahl)氏は「SITA for Arubaとともに構築した分散型アイデンティティ・エコシステムにより、私たちはより良い未来への道を切り開きました。人々がプライバシーを放棄することなく、経済を再開し、旅行を再開することができます。私たちはパンデミックの問題を解決するだけでなく、プライバシーとセキュリティの問題も解決します。それは、この技術が最初から、自分のデータとアイデンティティをコントロールする人の権利を尊重するように設計されているからです。アルバとSITAは、旅行におけるプライバシーファーストのアイデンティティ技術で世界をリードしており、その先駆的な取り組みは、来るべきより公平な世界のための基礎を築いています」とコメントしている。

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参考:SITA Indicio.tech

(images:iStock/Molnia)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

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