PaxosがPayPalらから約330億円の資金調達、企業評価額は約2,600億円に
暗号資産(仮想通貨)取引インフラやカストディサービスを提供するPaxos(パクソス)が、約330億円(3億ドル)のシリーズDラウンドの資金調達を完了したことを発表した。Paxos(パクソス)は現在までに約530億円(5億ドル)以上の資金を調達しており、企業評価額は約2,600億円(24億ドル)に達しているとのことだ。
このリリーズDラウンドではOak HC/FTがリードし、これまでの投資家であるDeclaration Partners、PayPal Ventures、Mithril Capital、Senator Investment Group、Liberty City Ventures、WestCapなどが参加した。Oak HC/FTは2014年に設立されたヘルスケア・インフォメーション&サービスと金融サービス・テクノロジーに投資するプレミア・ベンチャー・グロース・エクイティ・ファンドだ。Oak HC/FTの運用資産は33億ドルで、起業家や企業に対して、戦略的な助言、取締役会レベルでの参加、事業計画の実行、業界リーダーの広範なネットワークへのアクセスを提供することで、これらの業界の変革を推進することに注力しているとのこと。
PaxosのCEO兼共同創業者であるチャールズ・カスカリラ氏は「当社のエンタープライズソリューションに対する需要は、当社の予想をはるかに上回るスピードで加速しています。これは、金融システムを再構築し、未来のデジタル経済を創造するために、最も革新的で規制に対応したエンタープライズソリューションを提供するという当社のアプローチを証明するものです」と述べている。
Oak HC/FTの共同創設者兼マネージング・パートナーであるパトリシア・ケンプ氏は「2015年にデジタル資産のための初のトラスト・チャーターを獲得して以来、Paxosは規制を受け入れることで、フィンテックのイノベーターとして際立った存在となっています。同社のソリューションは、企業顧客との信頼関係を確保しつつ、エキサイティングな新しいビジネスチャンスを可能にするよう設計されています。ブロックチェーン技術がどのように価値の移転と創造に革命をもたらすかについて、これほど明確なビジョンを持ってデジタルアセットに取り組んでいる企業はほとんどありません。世界の金融システムの進化において極めて重要な時期に、Paxosをサポートできることを嬉しく思います」と述べている。
リリースではPaxosの今後の動向に関して「Paxosは、規制、信頼性、セキュリティへの取り組みを深めながら、エンタープライズグレードのインフラの開発に投資を続けていきます。そしてPaxosは、すべての機能において新たなチームメンバーを採用し、事業規模を拡大し、プラットフォームの容量を増やし、イノベーションに投資することで成長を加速させます。また、顧客体験を向上させ、トークンの利用率を高めるために、プラットフォーム全体に流動性を追加します。さらにPaxosは堅牢で規制されたプラットフォームの開発を継続するために、Paxos National Trust Bankの設立、証券取引委員会への清算機関登録申請のサポート、シンガポールでの主要決済機関ライセンスの取得も計画しています」と説明されている。
参考:Paxos
(images:iStock/BadBrother)