バイナンスの株式トークン、香港及び欧州規制当局が調査か

バイナンスの株式トークン、香港及び欧州規制当局が調査か

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が取り扱う「Binance Stock Tokens」が、証券法に準拠したものであるかの調査を香港及び欧州規制当局が行っていることが明らかになった。

「Binance Stock Tokens」は株式をトークン化して販売するサービスとして4月12日に発表。同日よりサービス第一弾として米テスラ(Tesla Inc.)の株式をトークン化、第二弾として4月15日に米国大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)の株式をトークン化し取引を開始している。

またこのバイナンスが提供する株式トークンは、トークン1単位が該当株式1株に相当する。株式トークンの価値は実際の株式に裏付けられているため、株式トークンの価格は実際の株式と連動して変化する仕組みだ。バイナンスは株式トークンの価値を担保するために、ドイツの規制された資産管理会社であるCMエクイティー(CM-Equity AG)に委託し株式の管理を行っている。

なおサウス・チャイナ・モーニング・ポストの報道によると、バイナンスは香港証券先物委員会(香港SFC)から証券ライセンスの取得は行っていないとのことだ。

ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)はフィナンシャルタイムズの取材に対し、調査に関するコメントを拒否したが「トークンが譲渡可能、取引可能、配当を提供し、現金決済される場合、それらは有価証券を表す」とし「その場合、それらを提供する企業は目論見書を提出する必要がありますが、バイナンスは提供しませんでした」と話している。

またCoinPostのバイナンスへの取材によると「このトークンはライセンスを持つCM-Equityのプロダクトだ」「欧州連合(EU)の規制「MiFID2」とドイツ連邦金融監督庁(BaFin)の規制に準拠している」と回答があったようだ。なお香港での問題については言及されていない。

関連ニュース

バイナンスがテスラの株式トークンの取引サービスを提供開始

バイナンス、コインベース株式トークンの取引開始

参考:Financial TimesSouth China Morning Postコインポスト

(images:iStock/Abscent84)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。