リップル社が国際送金サービス企業Trangloの株式40%取得

リップル社が国際送金サービス企業Trangloの株式40%取得

クロスボーダー決済・送金ネットワークプロトコルを開発する米リップル(Ripple Labs Inc.)社が、国際送金サービス企業であるトラングロ(Tranglo)の株式の40%を取得することに合意したと3月29日発表した。

トラングロは、クアラルンプール・シンガポール・ジャカルタ・ロンドン・UAEに拠点を持つ国際送金サービス企業で、国際送金やビジネス決済などに関するソリューションを提供している。

リップル社は今回のTrangloとの提携により、アジア地域における需要の高まりに対応するとともに、暗号資産(仮想通貨)XRPを利用して即時送金と送金の運用資本の効率化を実現するオンデマンド流動性(ODL)の提供範囲を拡大していくとのことだ。また両社が持つアジア地域での専門知識を融合させることで、国際送金に関する課題を解決していくとのことだ。

リリースによるとトラングロは、フィリピンなどの既存の送金経路(コリドー)でのサービス提供に加えて、現行ネットワーク内に新規ODLコリドーを導入する上でも重要な役割を果たすという。リップルがアジア地域内でODLを提供開始することで、RippleNetユーザーは、リップルの「Line of Credit(クレジットライン)」の活用により、運用資金を確保しつつ、これまで以上に多くの市場で国際送金を行うことが可能となるとのことだ。

また東南アジアの送金市場は細分化されており、各国独自のプロセスと送金インフラが導入されているとのこと。それにより地域における標準的な国際送金の統合機能が存在しないため、高コストな送金の回避策が必要となっているとのことだ。

リップル社のRippleNet担当ジェネラル・マネージャーであるアシーシ・バイラ(Asheesh Birla)氏はリリースにて「トラングロが提供する堅牢な国際送金インフラと優れた顧客サービスや品質は、東南アジア地域を皮切りとした、リップルのODLサービスの提供拡大を推進する上で理想的です。ブロックチェーン技術と暗号資産を活用し、国際送金の迅速化、低コスト化、セキュリティ強化を実現するという両社共通のミッションをともに遂行できることを嬉しく思います」とコメントしている。

なおこの取引は規制当局の承認と通常の取引完了条件に従い、2021年中に完了する見通しであるとのこと。また取引完了に伴い、リップルの製品/デリバリー担当バイスプレジデントのアミール・サルハンギ(Amir Sarhangi)氏と、東南アジア担当マネージング・ディレクターのブルックス・エンティウィストル(Brooks Entwistle)氏が、トラングロの取締役会の一員となるとのことだ。

参考:リップル

(images:iStocks/pgraphis)

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あたらしい経済 編集部

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