ブロックチェーンエコシステムを支える29社のカストディ企業まとめ

特集 THE BLOCK EXTRA

竹田匡宏

QUICK TAKE

・仮想通貨業界の成熟に伴い、ユーザーが資産をより安全に保護するために、多くの仮想通貨ネイティブ企業、従来の金融企業、銀行がセキュリティソリューションを提供してきています。

・機関投資家のためのサービスであるCoinbase Custodyは、香港のカストディ企業Xapoの機関投資家向け事業の買収によって、70億ドルを超えるカストディ企業へと成長しました。

・The Blockは仮想通貨企業、銀行、レガシー金融企業、カストディ企業の29社を4つの異なるサブカテゴリーでマッピングしました。

ブロックチェーンエコシステムを支える29社のカストディ企業

仮想通貨の市場へのマスアダプションを妨げる長年の問題の1つは、仮想通貨という新しい資産クラスを安全に保管することができるかどうかです。これまで、仮想通貨のトランザクションの永続性と検閲体制の性質が、ハッカーを悪い意味で魅了してきてしました。仮想通貨を含むデジタルアセットはハッカーの影響を受けやすいだけではなく、適切な保護と規制措置が不足しているため、さまざまな機関やレガシーな金融企業が参入するのに困難になっています。

2010年に制定されたドッド・フランク法により、150,000ドルを超える顧客資産を所有する全ての機関投資家は「認可を得たカストディアン企業」により資金を適切に管理することが法律で義務付けられています。そして、仮想通貨業界の成熟に伴い、ユーザーが資産をより安全に保護できるするために、多くの仮想通貨ネイティブ企業、従来の金融企業、銀行がセキュリティソリューションを提供してきています。

さらに、この1年の間にも、世界最大の資産運用会社の1つであるFidelityが事業者向けのビットコインのカストディアンサービスの開始を発表し、仮想通貨領域に正式に参入しました。

そして、機関投資家のためのサービスであるCoinbase Custodyは、香港のカストディ企業Xapoの機関投資家向け事業の買収によって、70億ドルを超えるカストディ企業へと成長しました。

他の例では、仮想通貨のカストディアンであるAnchorageは7月にシリーズBの資金調達で4,000万ドルを調達しました。このシリーズラウンドに、VisaとAndreessen Horowitzが含まれています。

このように仮想通貨に対するカストディアン機能は、コンプライアンスのある管理ソリューションを必要とする投資ファンドに対して資産の完全な所有権を望む単一ユーザー向けの機能とともに増え続けています。

そこで、仮想通貨企業、銀行、レガシー金融企業、カストディ企業の29社を4つの異なるサブカテゴリーでマッピングしました。

Fidelity Digital Assets 

Bitcoinのエンタープライズ向けのカストディと機関投資家向けの執行サービスを提供。

Kingdom Trust

金融機関、ヘッジファンド、投資スポンサー、RIA、ファミリーオフィス向けにデジタルアセットのカストディアンサービスを提供している。

Bakkt 

ビットコイン先物プラットフォームになります。 このプラットフォームは、ニューヨーク証券取引所の親会社であるICE(Intercontinental Exchange)によって運営されています。そして Bakktは、デジタル資産の管理プロバイダーであるDigital Asset Custody Companyを買収しました。

Anchorage 
Libraコンソーシアムメンバーでもある仮想通貨のカストディ企業。

BitGo 
仮想通貨のカストディシステムプロバイダー。

Unchained Capital 
マルチシグとコールドウォレット機能があるビットコインやイーサリアムの担保ローンやカストディアン企業。

Casa 
マルチシグを用いて、様々なセキュリティ管理レベルの企業のセキュリティを担保するカストディ企業。

Custodigit 
SwisscomとSygnumが開発した合弁会社。 Custodigitは、金融機関向けにデジタル資産を管理している。

Gemini Custody 
認可を受けたカストディアンと一緒に資産を保管する必要性のある機関に管理するための解決案を提供している。

Coinbase Custody 
機関向けのデジタル資産の管理を提供し、クライアント向けのステーキングサービスを導入し始めた。

ItBit Custody 
金融機関およびアクティブトレーダー向けに構築された仮想通貨取引および保管サービス。

Koine 
仮想通貨の保管および決済サービスのプロバイダー。

Xapo 
コールドウォレットを備えている仮想通貨のカストディアン。

Vo1t 
ブロックチェーン資産のカストディアン。

Swiss Crypto Vault 
仮想通貨のためのコールドウォレットを提供。

Ledger Vault 
金融機関向けのカストディサービス。

Prime Trust  
取引所、OTCデスク、ステーブルコイン(デジタル資産)、ブローカーディーラーに金融インフラソリューションを提供し、保管およびデジタル資産の譲渡を行う信託会社。

Trezor
ハードウェアウォレットでデジタル資産を管理および取引するシステムを提供している企業。 

Coinkite
ビットコインハードウェアを生成します。 その2つの製品にはOpendimeとColdcardが含まれます。

Keepkey 
ユーザーが仮想通貨を保存および管理するのに役立つハードウェアウォレット。

Bitbox 
ビットコインを保存および管理するためにShift Cryptocurrencyによって作成されたハードウェアウォレット。

Ledger 
ユーザーが仮想通貨を保存および管理するのに役立つハードウェアウォレットデバイス。

Bison Trails 
ユーザーがプラットフォームを使用してステーキングできるノンカストディサービス。

Staked 
ユーザーがノンカストディアルサービスで仮想通貨をステークすることができる。

Trustology 
ユーザーが仮想通貨を保管するためのカストディウォレット。

Versa bank 
仮想通貨取引所と投資ファンドにカストディアンサービスを提供。

Falcon Private Bank 
チューリッヒに拠点を置く企業。個人および機関顧客向けにデジタル資産の専有保管ソリューションを提供しています。

Bank Frick 
ブロックチェーンバンキングとデジタル資産のデータセキュリティに焦点を当て、デジタル資産のストレージを提供。

Swissquote 
デジタル資産、保管の取引を可能にし、オンライン金融および取引サービスに参加するオンライン銀行。

Vontobel 
機関投資家にカストディアンサービスを提供する投資銀行。

記事提供:この記事は「THE BLOCK」より正式ライセンスで提供を受け編集部で日本語に翻訳したものです。

翻訳:竹田匡弘(あたらしい経済)
元記事: Mapping out custody services across the blockchain ecosystem
著者:John Dantoni
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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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