10/15~10/21週のサマリー
- 暗号資産メディアのコインテレグラフが「SECがブラックロックのビットコイン現物ETFを承認」と誤報し、BTCは一時急騰
- ブラックロックを含む運用各社がビットコイン現物ETFに関する修正案をSECに提出
- SECがRipple社幹部に対する訴訟の棄却を申し出
- 相次ぐSEC劣勢報道が暗号資産市場を下支えし、BTCは30,000ドル水準へ
暗号資産市場概況
10/15~10/21週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+11.59%の4,490,850円、ETH/JPYの週足終値は同+4.54%の243,935円であった(※終値は10/21の当社現物EOD[10/22 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、種々のヘッドラインに振らされつつも堅調な推移となった。
グレイスケール・インベストメンツ(グレイスケール)が管理する「GBTC」のビットコイン現物ETF転換を巡る判決について、前週末に米国証券取引委員会(SEC)が上告を見送ったことでBTCは底堅いスタートを切った。16日、グレイスケール担当者がGBTCのETF転換に関して、運用面の整備を行っている」と明らかにするとBTCは28,000ドル付近まで上昇。
その後、運用各社のETF承認に対する期待が高まる中で暗号資産メディアのコインテレグラフは「SECがブラックロックのビットコイン現物ETF(iShares Bitcoin Trust)を承認」とX(旧Twitter)にポストした。同ポストをきっかけにBTCは一時30,000ドルまで急騰したが、直後に内容が誤報だと伝わると相場は往って来いとなった。
翌17日には、米9月小売売上高が市場予想を大幅に上回り、米国金利が中期ゾーンを中心に10bp超上昇したことでBTCはやや下押す場面がみられたが、28,000ドル割れには至らず、底堅さを維持した。
その後もフィデリティ・インベストメンツがSEC審査中のETF(Wise Origin Bitcoin Trust)の修正案を提出(18日)したほか、グレイスケールがGBTCに関する登録届出書(目論見書に相当)をSECに提出(19日)するなどETF関連のヘッドラインが多く見受けられ、承認期待先行の好地合いが継続した。
20日には、SECがRipple社幹部に対する訴訟の棄却を申し出るとXRPが急騰。相次ぐSECの劣勢により暗号資産全般が堅調に推移し、BTCも30,000ドル付近でもみ合うまでに上昇した。
そのほか、先週は破綻したFTXの資産のうち、約554万SOLがステーキングされ、売り圧力の低減とみなされたことでSOLが他資産を大きくアウトパフォームした。
今週の暗号資産市場では、ここまで現物ETFの承認期待で上昇してきたBTCが、緊迫した中東情勢や米長期金利の上昇といった重石を退ける形で30,000ドルをブレイクアウトし、一旦の上値目途として意識される32,000ドル手前(7月水準)まで上昇できるかに注目だ。
BTC/USD週間チャート(30分足)
BTC/JPY週間チャート(30分足)
BTC/USD(橙色), SOL/USD(水色), XRP/USD(白色)週間騰落率比較
10/15~10/21週の主な予定
10/22~10/28週の主な出来事
今週のひとこと「メディアリテラシーの向上~情報の見極め方~」
昨今、不確かな情報や誤った情報により、風評被害や金銭的な実害を被ったなどのニュースが散見されるようになりました。特にSNSの場合は誰もが容易に発信できることから、瞬く間に事実とは異なった情報が発信・拡散され、思いもよらぬ影響・被害を及ぼすこともあります。私たちマーケットの世界でも同様です。どのようなメディアにおいても、誤った情報が発信されることはありえますが、そこで重要となるのがメディアリテラシーとなります。
メディアリテラシーとは、メディアから得た情報の真偽を見極めるスキルや、自分自身で情報の正確性を確認するスキルのことを指します。特に現在の情報化社会において重要な能力となっており、多種多様なメディアから発信される情報には、不確かな情報や印象操作を狙った情報もありますので、複数の媒体で整合性を確認するなどのファクトチェック、情報に対して自分自身の先入観が入っていないかなど、惑わされることなく、自分自身の判断で情報を取り扱うことが重要です。
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