現物ETF関連報道で上下するビットコイン、今週はセンチメント悪化からネガティブなニュースに注意(暗号資産 週間マーケットレポート 9/4号)

特集 暗号資産 週間マーケットレポート

8/27~9/2/週のサマリー

  • 大手暗号資産運用会社のGrayscaleがビットコインETFに関する裁判にてSECに勝訴
  • SECはBlackRock, Fidelity, Bitwise, VanEck, WisdomTree, Invesco,Valkyrieの現物ビットコインETFの承認判断を延期
  • 香港のHashKeyExchangeが香港初の個人投資家向け暗号資産取引プラットフォームをローンチ

暗号資産市場概況

8/27~9/2週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲0.63%の3,792,000円、ETH/JPYの週足終値は同▲0.70%の239,330円であった(※終値は9/2の当社現物EOD[9/3 6:59:59]レートMid値)。

先週のビットコインは週央29日まで前週の流れを引き継いで動意なく推移したが、29日夜にGrayscaleがビットコインETFに関する裁判でSECに勝訴した一報が入ると、28,200ドル付近まで急伸。約2週間ぶりにビットコインが28,000ドル台を回復と共に、ビットコインETF早期承認への期待が高まった。

しかし、31日にBlackRockを含むBTC_現物ETFの承認判断の延期がSECから発表されると、ビットコインは2日前の上昇分をすべて吐き出して一時26,000ドルを割り込んだ。週末2日にかけては26,000ドルを明確に下回り、25,000ドル後半で着地。週央に28,000ドルにタッチしたにもかかわらず、週初よりも安値で着地したことは、市場参加者のビットコインに対する目線を反映している可能性がある。

先週はSEC関連のヘッドラインに加え、重要な経済指標も複数発表された。1日の米8月雇用統計では、非農業部門雇用者数は堅調であったが、失業率は事前予想よりも高く、平均時給の増加率は事前予想よりも低い結果となり、労働市場の鈍化を示した。13日発表の米8月消費者物価指数を控えてはいるものの、次回FOMC(9月20日27時)の金利先物市場での織り込み具合は、90%以上が金利据え置きを見込んでいる(9月3日時点)。

今週は依然として暗号資産関連のヘッドラインに留意が必要だ。先週のビットコインの値動きから市場参加者のセンチメントは悪化していることが想像され、ネガティブなヘッドラインには通常よりも大きく反応するおそれがある。節目の25,000ドルを割り込むと一時的にボラティリティが高まる可能性があるため注意されたい。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

8/27~9/2週の主な出来事

9/3~9/9週の主な予定

今週のひとこと「FOMC」

FOMC(Federal Open Market Committee)とは、FRB(連邦準備制度:米中央銀行)の理事と米連邦準備銀行総裁によって構成される「米連邦公開市場委員会」の略語です。報道記事でFOMCという単語が登場する際は、主に同委員会が開催する金融政策決定会合を指す意味で用いられます。

FOMCは年間8回の定例会合を開催し、米国の経済・金融状況を検討したうえで(検討に際し、FRBは「物価の安定」と「雇用の最大化」を重視します)、金融政策の方針を決定します。通常、会合の3週間後には議事要旨(議事録の概要)が公開されます。FOMCの決定内容は株価や為替、暗号資産価格への影響が大きいため、会合ならびに議事要旨は市場参加者からの注目を集めています。

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この記事の著者・インタビューイ

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