ビットコインは現物ETF関連報道に振り回される、BCHは堅調、半減期を控えライトコイン上昇(暗号資産 週間マーケットレポート 7/3号)

特集 暗号資産 週間マーケットレポート

6/25~7/1週のサマリー

  • BTCは29,000ドル台から31,000ドル台のレンジ相場
  • SBINFT MarketでOasys上のゲームNFTの売買が可能に
  • 米Volatility Shares、ビットコイン先物ETF「BITX」上場

暗号資産市場概況

6/25~7/1週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+0.65%の4,420,450円、ETH/JPYの週足終値は同+2.9%の277,750円であった(※終値は7/1の当社現物EOD[7/2 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、前週の既存金融機関の相次ぐ暗号資産市場への参入を受け年初来高値31,000ドル台の年初来高値近辺からのスタートとなった。その後過熱感から調整が入るものの、週央に米フィデリティがビットコイン現物ETFの申請を準備しているとの報じられると再度31,000ドルを伺う場面も見られた。前週から引き続く既存金融機関の暗号資産市場への参入報道により、新規資金の流入期待からBTCは底堅い推移となった。

しかし週末にSEC(米国証券取引委員会)が、ナスダックやシカゴ・オプション取引所に対し、「ブラックロック、フィデリティのビットコインETF(現物型上場投資信託)の申請内容は不明瞭であり不十分である」と指摘したと報じられると急落、一時30,000ドルを割り込んだ。その後は値を戻し、30,000ドル前半で推移する格好となった。既存金融機関のETF関連のトピックフローに振り回される週となったが、31,000ドルの上値が重いことから同材料については期待が先行したことによる息切れ感も意識されたのではないだろうか。

アルトコイン市場では、先週の「EDX Markets 」取り扱いの材料から大きく上昇したビットコインキャッシュ(BCH)がさらに堅調に推移し、韓国の大手暗号資産取引所Upbitでの活況な商いも手伝い、上昇前の水準から+約300%のパフォーマンスを見せた。またBCHと同様に半減期を近くに控えるライトコイン(LTC)にも買いが集まり、前週比約+約20%の上昇となった。

米経済動向に関しては、5月PCEコアデフレータは概ね予想通りの水準であったものの、1-3月期の米実質国内総生産(GDP)の確定値、同期間の個人消費支出(PCE)の確定値が上方修正された。また、週央のECBのシンポジウムにおいて、パウエル議長が連続続利上げの可能性を否定しなかったことから、2会合連続の利上げの可能性について排除できていない点についても留意しておきたい。

今週は米国の追加利上げの可能性を探る上で重要指標となる米雇用統計を控えている。暗号資産市場への既存金融参入トピックに配慮しつつ、慎重に市場の動静を見極めた上での投資判断を行いたい。

1:BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

2:BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BCH/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

6/25~7/1週の主な出来事

7/2~7/8週の主な予定

今週のひとこと「ダイ(DAI)」

ダイ(DAI)は、米ドルとの価格連動を目的とするイーサリアムベースの暗号資産です。米ドル以外の法定通貨や、金(ゴールド)との価格連動を目的とする暗号資産も存在し、これらは総称して「ステーブルコイン」と呼ばれています。

DAIの時価総額は47億ドル(約6,780億円)に上り、ステーブルコインの中では「USDT」「USDC」に次いで、第3位を誇っています(2023年7月2日時点)。

主な特徴として、「分散型(中央集権的でないこと)」であることが挙げられます。DAIはMakerDAOという自律分散型の組織によって運営されており、アップグレードや仕様変更の方向性は「MKRトークン」の保有者による投票で決められています。

また、DAIの発行・価格調整は「スマートコントラクト」と呼ばれるプログラムを通じて行われるため、ユーザーは誰でも、イーサリアムなどの暗号資産を担保にすることで、自由にDAIを発行することができます。

発行されたDAIの総量や、担保になっている暗号資産の総額・構成などは、「Dai Stats」というサイトでリアルタイムに確認することができます。ぜひご覧になってみてください。

このレポートについて

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この記事の著者・インタビューイ

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