【解説】アビスパ福岡「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」とは? Web3×スポーツの可能性

特集 FiNANCiEで創るトークンエコノミー

アビスパ福岡が挑戦する「Web3×スポーツ」の取り組み

J1所属のプロサッカークラブのアビスパ福岡は、トークンなどを活用したいわゆるweb3的な取り組みに先進的なスポーツクラブと言えるだろう。同チームは2021年8月と2022年2月の2回に渡って、FiNANCiE(フィナンシェ)にてコミュニティトークン「アビスパトークン」*1 を発行している。

「みんなで創るアビスパと地域の未来」というコンセプトで、アビスパ福岡はトークンホルダーと一緒にこれまで様々な企画を共創してきた。具体的には「トークンホルダーと創るスペシャルデー」の開催や、Jリーグ初のNFTとなった「ジンクス打破記念NFT」や「スビーくん誕生記念NFT」発行などの取り組みを実施してきた。

「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」が発足

そして今年、アビスパ福岡は「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO(アビスパ福岡イノベーションDAO)」を発足した。これまでのアビスパトークン・コミュニティの大幅アップデートとなる企画だ。既存のアビスパトークンのホルダーはもちろん、現在販売中の新規トークンの購入者もあわせて *2、日本初となる「スポーツDAO」としての活動を進めていくとのことだ。

アビスパ福岡はトークンコミュニティを拡大し、「Web3×スポーツの力で、福岡から世界に広がるイノベーションモデルを共創する」というビジョンの達成を目指していくとしている。これまでのトークンコミュニティではクラブが最終的に意思決定を実施していたが、「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」ではコミュニティ内での意思決定に変更される。まさにDAOに挑戦する意気込みが伺える。そしてファン・サポーターに限らず、多くの関係者を巻き込んだクラブの枠に囚われないプロジェクトを実施していくとのことだ。

具体的な活動内容として、ファンが主役のジェネレーティブNFT「Avispa Supporters NFT」プロジェクト、トークンホルダーと共にアビスパ福岡の選手育成や移籍ビジネスの未来を議論する「Avispa Global academy」 プロジェクト、スタジアムの演出などを所属選手と一緒に議論する「スタジアム感動体験創出」プロジェクト、サッカークラブの新たな価値を作る「DAO × 地域貢献・課題解決」プロジェクトなどがすでに発表されている。

また今回の取り組みに合わせて「アビスパ福岡オフィシャルWeb3パートナー」という企業向けのパートナー制度も発表された。企業が100万円〜500万円相当のトークンを購入することで、「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」を支援できる仕組みだ。

支援する企業側のメリットとして、「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」とのコラボNFTの発行や、DAOリーダーMTGへの参加権、その他DAOで実施する前述のプロジェクトへの参加などといったWeb3パートナーならではの特典が付与される。トークンホルダーとの共創という、これまでのスポーツチーム協賛では実現できなかった、新たなコンセプトが魅力だ。

またチームの選手たちにも今回の取り組みは好評のようだ。アビスパ福岡の担当者によると、今回の取り組みを事前説明した際、参加したいと手を挙げた選手が多数いたとのこと。そしてそんな選手らが、「サッカーだけしていて良いのか」という課題意識を持っていたということに、担当者も驚いたという。

実際に「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」には永石拓海選手、湯澤聖人選手、金森健志選手、小田逸稀選手、中村駿選手、田邊草民選手、三國ケネディエブス選手、前嶋洋太選手、鶴野怜樹選手、紺野和也選手がキックオフメンバーとして参加することが決定している。

なお今回のコミュニティの名称に「サッカー」という言葉が入っていないことも注目だろう。もちろんサッカーが起点にはなると予想はできるが、「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」ではアビスパ福岡が日本初 *3 のスポーツDAOにチャレンジする事で、スポーツビジネスにおける組織の新しいあり方を提案すると共に、新しいビジネスモデルの確立を目指していくと発表されている。

そして「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」に加入するためのトークンは、現在FiNANCiE上で販売中だ。今回のセール期間は4月10日23時までとなっている。ぜひアビスパ福岡の、新たな挑戦を応援したい方は販売ページをチェックしてみてほしい。

ジェネレーティブNFT「Avispa Supporters NFT」とは?

前述の通り「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」では、ジェネレーティブNFTプロジェクトが予定されている。その「Avispa Supporters NFT」発光の背景についてフィナンシェの担当者に取材した。

※上記のイラストはあくまでもサンプルです。実際のクリエイター選定、デザインの構図などはDAO内で議論しながら創っていきます。

–Avispa Supporters NFTは、どのようなNFTですか?

DAOのメンバーが優先的に手に入れることができるNFTです。

「Avispa Supporters NFT」のデザインは、キャラクターの顔や髪型だけでなくさまざまな要素をランダムに組み合わせて世界に1枚だけの画像が生成されます。昔のユニフォームやグッズも入れるのでファンにはたまらないものになるのではと思っています。

–なぜNFTを発行することにしたんでしょうか、その狙いは?

「ファンの一体感をデジタル空間上でも表現すること」、そして「個人だけではなく企業やブランドを巻き込むこと」、その2つの狙いがあります。

1つ目の「ファンの一体感をデジタル空間上でも表現すること」では、ホルダーの方々にPFP NFTとして今回のジェネレーティブNFTを利用していただくことを想定しています。SNSのアイコンに設定いただくことで「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」やアビスパ福岡のファンであることが明示でき、そこからオンライン上での交流もより生まれていくことを期待しています。

–より自分がアビスパ福岡のファンであることが分かりやすくアピール出来るようになりますね。

はい、そこからプロジェクトメンバーやファン同士の交流が盛んになると、その盛り上がりがきっかけでプロジェクトを知って下さったり、参加してくださる方もより増えて、より「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」が強いコミュニティとして成長できるのではと思っています。

–2つ目の「個人だけではなく企業やブランドを巻き込むこと」について教えてください。

今回コミュニティ名称を「サッカー」ではなく「スポーツ」と名付けた部分に通じますが、ファンを増やすことがゴールではないんです。新しい文化を創り、それを根付かせること、そしてスポーツ業界に新しいビジネスモデルを確立することが目標です。だからこそ、個人だけでなく、企業やブランドも巻き込んで行きたいと思っています。そのタッチポイントとしても今回のNFTは機能します。

–これまで、企業がユニフォームやスタジアムにロゴを出すこともあったと思います。そんなイメージをNFTにも活用するんでしょうか?

そうです、NFT生成の際にランダムに組み合わせるパーツのなかに企業やブランドのロゴや商品が入る予定になっています。それが組み合わさってできる世界に1枚の画像になります。

キャラクターが商品を持っていたり、ユニフォームにロゴを入れたり、背景にロゴが入っていたりなどなど、デザインは検討できると思っているので、企業や商品のPRとして活用していただきたいと思っています。

ファンのみなさんがSNSで使ったりする画像に商品やロゴが掲載されれば、これまでにない企業ブランディングとしても活用いただけるのではないかと思っています。

–「Avispa Supporters NFT」にはユーティリティを付加していく予定なのでしょうか?

はい、現状では、スタジアムでのビジョン展示やオフィシャルグッズとの連動、保有NFTの商用利用権、派生NFTの優先購入権などのユーティリティをつける予定です。

他にも、今後はDAOメンバーとメタバース分野での取り組みも検討していく予定なので、さらなるユーティリティが検討できると思っています。

–このNFTはどのように入手できるのでしょうか?

今回はDAO発足記念として、支援者全員にNFTコレクションをプレゼントいたします!*4 ですのでぜひご興味ある方はFiNANCiEで「Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO」のコミュニティトークンの購入をご検討いただけると嬉しいです。

関連リンク

トークン初期販売ページ

(初期販売期間:2023年2月24日13:00〜4月10日23:00を予定)

フィナンシェ|FiNANCiE

アプリ:App Store(対応OS:iOS 14.0以上)

アプリ:Google Play(対応OS:Android 6.0以上)

 

【注】
*1 「FiNANCiE」で発行されているコミュニティトークンは、金融商品取引法上の有価証券ではなく、資金決済法上の暗号資産(仮想通貨)でもないとのこと
*2 2000トークン以上の購入は必要となります。
*3 2023年2月時点、日本国内におけるスポーツチームに対して(株式会社フィナンシェ調べ)
*4 配布時にDAO運営が指定するトークン数を保有し続けていることが条件となります。

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この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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