エアドロップが話題のLayerZero、その開発者ライクな「Protocol RFP」とは?

特集 企業担当者必読!3分でわかるWeb3最新トレンド

手塚康夫

LayerZeroの「Protocol RFP」とは?

大手ブリッジプロトコルのLayerZeroは「自首プログラム」という独自のエアドロップ戦略で注目を集めていますが、「Protocol RFP」というさらに面白い発表が行われました。今回はこの「Protocol RFP」についてまとめていきます。

LayerZeroは先日スナップショットの完了を報告し、現在TGEに向けたトークンの割り当ての決定を進めています。
今回LayerZeroが発表した「Protocol RFP」はこのトークン割り当ての確定に使用されるプロトコルです。

LayerZeroを開発するLayerZero Labsは、開発者がLayerZeroにおける生命線であるとしており、この「Protocol RFP」はその開発者の意見をエアドロップに反映するためのものだと言えます。

ここからはこのプロトコルの詳細を見ていきましょう。

まずLayerZeroについておさらいします。LayerZeroは、ブリッジのようなブロックチェーン間通信プロトコルを提供しており、開発者はこのプロトコルを使用して独自のアプリケーションの開発が可能です。StargateはLayerZeroを使用した有名な例の一つです。

→LayerZeroエコシステムのDapps

「Protocol RFP」は簡単に言い表すと、LayerZeroを利用して開発を行う開発者にエアドロップのアロケーション決定に参加してもらうプロトコルといえます。具体的には、開発者は自身のプロジェクトを利用したユーザーに与えられるトークンの割り当てを独自に調整できるというものです。

開発者は、自身のプロジェクトを介したLayerZeroの利用者へのエアドロップの割り当てを好きに調整できるだけでなく、ユーザーへの割り当てのうち10%を受け取ることもできます。なお現在すでに参加を明らかにしているプロジェクトもあります。

これによりLayerZeroは既存の開発者に対してポジティブな印象を与えることに成功するだけでなく、今後LayerZeroを利用する開発者の増加にもつながるでしょう。LayerZeroは今回の発表でも開発者を重要視する考えを明らかにしています。

まだエアドロップについて完全な全容は見えていないにもかかわらず、LayerZeroはこのような独特の仕組みによって注目を集めています。これからも発表を控えている可能性もあり、まだ目が離せません。皆さんもLayerZeroについて定期的にチェックしても面白いかもしれません。

また前回取り上げた通報プログラムも先日開始され、現段階でのシビル判定結果も公開されました。こちらについても興味がある方はチェックしてみてください。

LayerZeroのエアドロップやその「自首プログラム」についても前回の記事でまとめています。まだ読んでいない方はぜひそちらも読んでみていただけると嬉しいです。

→エアドロップのシビル攻撃とは? LayerZeroの画期的な対策

関連リンク

今後もこちらでの連載や、私のnote、XなどでWeb3に関する情報発信をしていきますので、ぜひフォローいただけると嬉しいです。

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

手塚康夫

株式会社クリプトリエ 代表取締役 CEO 2006年に株式会社ジェナを設立、2021年の株式会社マネーフォワードによるM&A後に同社を退任。現在は2023年に設立した法人向けにweb3ビジネスを展開する株式会社クリプトリエの代表取締役の他、複数のスタートアップの役員や顧問を務める。株式会社クリプトリエでは、NFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現するプロダクト「MintMonster」を提供し、企業におけるWeb3活用の普及を目指す。

この特集のその他の記事

EigenLayer(アイゲンレイヤー)とは? リステーキングとセキュリティ貸し出しサービス

今回は、日本国内でもかなり知名度が上がってきた「EigenLayer」の仕組みについてまとめていこうと思います。様々な人がリステーキングに参加し、Kudasaiなど国内からノードとして参加するグループも現れていますが、なぜこんなにも注目されているのでしょうか?

各国の暗号資産ETFの状況は? 香港のビットコイン/イーサリアム現物ETF上場をどう捉える?

ビットコインとイーサリアムの現物ETFが新たに承認、そう発表があったのは近隣国の香港です。世界の金融ハブを目指すアジア地域で、暗号資産を戦略的に取り扱う事例が加速しています。しかしこの流れはいまに始まったものではありません。今回は世界の暗号資産ETFを振り返りましょう。